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憲政記念館と日本水準点

先日所用で国立国会図書館まで出向いた際、時間に余裕ができたので隣接する日本水準点を見に行こうと憲政記念館まで足をのばした。
記念館は無料で公開されているが、受付では記帳しなければならない。ただ、年代と性別、どこから来たのか、また何人で来たのかを記入するだけでよく、多分来館者統計として利用するのではないかと感じた。一応税金で運営されているわけであるから投資対効果を説明できる資料として活用するのであろう、ただし日中であたので来館者はほとんどいなかった。
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受付でパンフレットをもらい、2階から展示を見ていくことにする。まず憲政記念館の歴史であるが1960年に、憲政の功労者である尾崎行雄を記念して、尾崎記念会館が建設された。その後これを吸収して現在の憲政記念館となったのが、1970年議会開設80年の年である。尾崎行雄の銅像があるのも納得である。展示物はパンフレットやホームページに詳しく説明されているのでそちらの方が私見がなく公平であると思う。感想としては、ひとつの考え方に固執しないで世の中を客観的にみて展示が構成されている点は評価してよいのではないかと感じた。憲政というと時の権力者に威光により表現などがブレてしまいそうだが、そのようなことがない点は好ましいと感じた。
さて、展示コーナーを全部見るのに時間がかかってしまい、肝心の目的である日本水準点を見る時間が少なくなってしまった。日本水準点は正確には日本水準原点標庫というそうである。横に東京都教育委員会設置の説明プレートにはそのように記載されている。
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建物といっては語弊があるかもしれないが、1891年に、ローマ神殿の形式を持つ古典主義建築として建設されている。水準点については
「土地の高さは、平均海面を基準に取りますが、実用的には地上のどこかに、高さの基準となる点を表示しておく事が必要です。
このため、明治24年(1891年)に水準原点がつくられ、当時、隅田川河口の霊岸島で行われた潮位観測により、水準原点建物内部の水晶板のゼロ目盛りの高さが、東京湾平均海面上24.500mと決定されました。」
「水準原点のあるこの地は、山の手の台地で、原点の礎石は、地下10mあまりの強固な地層から築いてありますので、下町の沖積地のように甚だしい地盤沈下を起こすおそれはありません。
しかし、大正12年(1923年)の関東大地震では、この付近一帯に相当の地殻変動があり、測量の結果、原点の高さは東京湾平均海面上24.4140mと改定され、この値が今でも使われています。」
と国土地理院のホームページで説明されている。庭園にはこの他に時計台が建設されており、説明では三権分立の象徴として三面から構成されている。内堀通りからも見えるので目にしたことはあるはずと思う。
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また庭園の一角には「ハナミズキ」が多数植えられている。これは東京市長でもあった尾崎行雄がワシントンに桜の苗木を送った返礼として米国政府から贈られたものだそうでこの地に尾崎行雄記念館建設の際に改めて贈られてきた苗木を植えたそうである。りっぱに育ってみる人を歓迎してくれている。先日行った東京都庭園美術館にもワシントンに送った桜の苗木があったが、何だかゆかりのある場所を知らないうちに訪問していたようである。

日本水準原点のページ → 国土地理院内の説明
by motokunnk | 2011-05-08 08:55 | 記念碑
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