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啐啄同機という言葉

家でたまたま、NHKの土曜ドラマ「フルスィング]のDVDを見ていると、この言葉に出会った。言葉に入る前にドラマ「フルスィング」について少々説明したい。
このドラマは、打撃コーチ高畠導宏氏の実話である。七つのプロ球団を渡り歩き、落合、イチロー、小久保、田口を始め、30人以上のタイトルホルダーを育てた名伯楽であった彼は、還暦間近で福岡の高校の教師になった。わずか1年でがんに倒れ、志半ばで逝去した新米教師「高さん」と、彼の思いを受け止め、成長していく子どもたちと教師たちの感動の実話をドラマ化したもので、NHKの土曜ドラマとしては再放送もされていた、結構人気の高いドラマであったと記憶している。その中で、高橋克実演じる主人公の高林導宏が居酒屋で萩原聖人演じる野球部の監督・阿部一球に相談するシーンで、阿部一球からその言葉が発せられる。
数回DVDは見ていたがこのシーンはそれほど印象には残っていなかった。今回久しぶりに見て、このシーンで止まってしまった。というよりこの言葉に引きつけられてしまった。
本題の「啐啄同機」の意味であるが、
広辞苑によれば
「啐啄」 の「啐」は、鶏の卵がかえる時、鶏の中で雛がつつく音。「啄」は母鶏が殻を噛み破ること。
①禅宗で、師家(しけ)と弟子の働きが合致すること。 啐啄同時。
②逃したら、またと得難い、よい時機。
とある。
人生における絶好のタイミングをあらわしている言葉ではないかと思う。師弟関係、親子関係、恋人関係、得意先と下請けなど人生にはいろいろな関係がある。その中で今しかないという時が必ずあった。そのタイミングを見計らい、事を実行していればよかったと後悔したことは何回もあった。この言葉を知り、そのタイミングを理解していれば、違った人生を過ごしていたかもしれないと思ったひと時であった。

この言葉はドラマ内では「そったくどうき」と発言されているが本来は「さいたくどうき」と呼ぶらしい。どちらが正しいか、時間があれば調べて報告したい。
by motokunnk | 2010-08-08 08:17 | 日記
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